働き口を選ぶとき、どうしても気になるのが「どれくらいの収入が得られるのか」ということ。特に内装工のように、現場で体を使う職種は「きついわりに給料が安い」という印象を持たれることも少なくありません。でもそれは、正しい情報を知らないまま、なんとなくのイメージで語られていることも多いのです。
実際のところ、内装工の給料は経験や資格、働く地域によって幅があります。未経験からスタートした場合の初任給、数年働いたあとの年収、さらには独立を見据えた場合まで、ステージによって見える金額も変わってきます。
大切なのは、「どんな働き方をすれば、収入が上がっていくのか」をきちんと理解しておくこと。年収を知ることは、将来を見据えるうえでも、自分の道を選ぶ手がかりになります。このセクションでは、そんな「内装工の年収の現実」を丁寧に追いかけていきます。
内装工の主な仕事と、その対価としての収入
内装工の主な仕事は、建物の内部を仕上げること。具体的には、壁紙や床材、天井材の施工を行い、住まいや店舗、事務所の空間を「見た目よく、使いやすく」整える仕事です。現場では、職人同士や元請け業者と連携しながら作業を進め、細かな調整や品質管理にも気を配る必要があります。
作業そのものは手作業が中心で、技術の習得にも時間がかかるため、経験がものを言う世界です。しかし、そうした背景があるからこそ、身につけた技術は他に代えがたい強みとなり、給与にも反映されやすい側面があります。
収入面で見ると、未経験者のスタートは月給20万円前後が目安ですが、経験を積んで一人前になれば、月収30万円〜40万円以上になることもあります。日給制の現場も多く、仕事の回数や現場の種類によって手取りが変動するため、繁忙期には年収ベースで400万〜500万円を超えるケースもあります。
また、内装の仕事は建設業界全体の動きと連動しており、オフィス改装や住宅リフォーム需要が増える時期には収入アップのチャンスもあります。体力勝負の印象が強いですが、「技術職」として見れば、長く働き続ける価値がある分野だと言えるでしょう。
年齢・経験・地域による収入の差は?内装工の“リアルな相場”
内装工として働く人の年収は、実際どのくらいになるのでしょうか。一律では語れない部分が多いため、ここでは年齢や経験年数、働く地域による収入の違いをもとに、より現実的な相場を見ていきます。
まず、20代前半の未経験者が月給20万円前後からスタートするケースが多いのに対し、30代後半で経験10年以上となると、月給35万円〜40万円程度が一般的な水準です。中には職長や現場リーダーとして動いている人で月給50万円を超えることもあります。加えて賞与や現場手当がある企業なら、年収ベースで500万円以上になることも十分にあり得ます。
地域差も見逃せません。都市部、特に東京や大阪のような建設需要の多い地域では、日給単価や月給も高めに設定されている傾向があります。逆に、地方では需要に応じて報酬も控えめになる傾向があり、同じ経験でも年収に差がつくことがあります。
また、個人事業主として独立した場合は、案件数や単価に応じて年収の天井が大きく広がります。一方で、安定性や福利厚生の面では会社勤めの方が安心できるという側面もあります。どの道を選ぶかは人それぞれですが、自分に合った働き方を選ぶことが、年収にも直結する時代になっています。
年収を上げたいなら?資格・役割・働き方の工夫がカギになる
内装工として年収を高めていくには、日々の現場経験だけでなく、資格やポジション、働き方の工夫も重要なポイントになります。ただ毎日現場に出ているだけでは、大きな収入の伸びは見込みにくいこともあるからです。
まず、業界で評価されやすいのが「内装仕上げ施工技能士」の資格です。国家資格であり、取得者は技術面での信頼が高まり、工事の品質管理やリーダー的な立場を任されやすくなります。それにより、現場手当や職長手当がつくこともあり、収入にもはっきりと差が出てきます。
また、現場内での役割が収入に直結することも珍しくありません。たとえば職長(現場責任者)やサブリーダーとして工程や安全管理まで担う立場になると、管理手当が支給されたり、単価自体が上がったりするため、月給ベースで数万円以上の差がつくこともあります。
他にも、繁忙期や夜間工事への対応力、マンション・オフィス・店舗など対応物件の幅を広げることで、仕事の数そのものを増やすことも収入アップにつながります。さらに、将来的に独立を目指す場合には、技術の幅に加え、現場との信頼関係や段取り力も重要になってきます。
「今のままじゃ頭打ちかも」と感じたときこそ、次の一手を考えるタイミングです。日々の積み重ねが年収につながるこの業界で、着実に前へ進む選択肢は、一つではありません。
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長く稼げる内装工になるために、何を意識するべきか
収入を上げることはもちろん大切ですが、それ以上に考えておきたいのが「この仕事を長く続けられるか」という視点です。内装工は体力勝負の現場も多く、無理な働き方をしてしまうと、どこかで限界を感じてしまうこともあります。だからこそ、収入と働きやすさを両立させるための考え方が欠かせません。
まず、日々の生活リズムを崩しすぎないこと。短期的な高収入に目が向きがちですが、深夜帯の作業や連日の長時間勤務ばかりでは、体にも心にも負担がかかります。長期的に見てパフォーマンスを保つためには、無理をしすぎない現場選びや職場環境の整備が不可欠です。
また、人間関係も働きやすさを左右する大きな要素です。職人の世界は技術がものをいう場面もありますが、それ以上に大切なのが「チームワーク」です。信頼される人になることで現場の空気が良くなり、任される仕事も変わってきます。
さらに、自分のやっている仕事がどのくらい評価されているのかを把握するためには、「正当な評価制度」がある会社を選ぶことも重要です。昇給・昇格の基準が明確にあり、本人の努力に応じた評価がある環境でこそ、安心してスキルを伸ばしていけるのです。
内装工という仕事を、ただの「その日暮らし」にしないために。長く働きながら、しっかりと稼げる環境を見つけることが、自分自身を守る手段にもなります。
結論:内装工の年収は“上げ方”を知ってこそ価値がある
内装工という仕事は、収入面だけでなく、技術や人間力、働く姿勢が問われる奥深い仕事です。ただなんとなく働くだけでは見えない景色が、経験を積み、立場を得ることで少しずつ開けてきます。
そして、年収という数字は、自分の成長の証でもあります。資格を取り、信頼を得て、現場を任されるようになる。そのすべてが年収というかたちで反映されていくのです。
もし今、「やってみようか」「でも不安だな」と思っているなら、それはスタート地点に立てている証拠。知らない世界に飛び込むのは勇気がいりますが、知ったうえで踏み出す一歩は、未来を変えてくれます。
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